2019/1/27 NXT TakeOver: Phoenix 感想 #NXTTakeOver

今までWWEの試合の感想なんかをTwitterでつぶやいたりはしたことあったけど、
ブログ記事としてまとめたことはなかったので、ちょっとやってみようか。
なお、試合の結果を含めて盛大にネタバレを含みます。そこんとこヨロシク。
また、試合内容から離れた話まで結構します。

第一試合 タッグ王座戦

ウォー・レイダーズ vs アンディスピューテッド エラ(C)
勝者: ウォー・レイダーズ
フィニッシュムーブ: フォールアウト(バックドロップとダイビングレッグドロップのコンボ)

一言で言えば、素晴らしい!
タッグマッチとして、スピーディーかつ一進一退の攻防が期待通りに繰り広げられた、いい試合だったと思う。
見どころはアンディスピューテッドエラの2人によるスマートなコンビネーション、
そしてウォー・レイダーズの巨体から繰り出されるクルーザー級のムーブ。
特に印象に残ったのは、
アンディスピューテッドエラのトータル・エリミネーション(レッグスイープとフライングクローズラインのコンボ)、
ウォー・レイダーズのハンソンによる側転回避やハンドスプリング・バックエルボー。

すごいなと思ったのは、ちゃんとそれぞれの個性を活かしたムーブを使って、
かつチームワークを魅せる試合運びをしていたこと。
ロデリック・ストロングはMr.バックブリーカーの異名に恥じず、多彩なバックブリーカーを繰り出す。
カイル・オライリーは豊富な打撃技とレスリング技で翻弄する。
対してウォー・レイダーズは、ハンソンやロウそれぞれの技は柔軟性が高いが、
二人のコンビネーション技ともなると、その巨体を活かしたパワー全開の技を繰り出す。
見ていて飽きること無く、最後までノンストップで走り抜けたような試合だった。

NXTでこういった名試合を見るたびに、「昇格してほしくないなぁ」と思ってしまう。
今のWWEは、RAW・Smackdown!がビンス、NXT・205Live以下をハンターさんが仕切っている関係で、
NXTで見れた技が昇格して見れなくなったり、技のバリエーションが減ってしまう事が多々ある。
そのせいで「NXTで試合していた頃のほうが面白かった」という事象が発生してしまう。
今でいうとリバイバルがまさにそうだ。
そんなもんで、ウォー・レイダーズに関しても、「RAW/Smackdown!に昇格したらスピーディーな試合運びが鳴りを潜めてしまうんじゃないかなぁ」なんて思ってしまうのだった。
あと、名前を縮めるのもやめてほしい。
最近アンドラデ 'シエン' アルマスが「アンドラデ」だけになったけど、うーん、なんかダサい。
ビンスが、客にわかりやすくするために縮めると聞いたことがあるけど、逆効果じゃないかなぁ…

第二試合

マット・リドル vs カシアス・オーノ
勝者: マット・リドル
フィニッシュムーブ: ニーアタック→エルボー連打(タップアウトによる決着)

「カシアス・オーノのヘタレ感をより際立たせる」ための試合だったなという印象。
最近NXTに来たばかりのマット・リドルとかいう若造に、2連敗しているオーノ。
「あんなガキに舐められてたまるか!」とばかりに対抗心をむき出しにするオーノ、
そのオーノを難なく退けるマット・リドル。
そんな構図がはっきりと現れていたように思う。

試合内容としては、足の指に噛み付いたり踏んづけたりするオーノのダーティ技が目立った。
オーノは今ヒールである。
だから、ブック的には「汚いことをする女々しいやつだ」という印象を与えたいのだろう。
でも僕から見たら、2連敗して後がないくらいに追い詰められてるオーノが、
どんな手を使ってでも絶対に勝つという決意を見せたようで、むしろカッコよく見えた。
ただ、最後にリドルに仲直りしようと拳を突き出すのはちょっといきなりで拍子抜けしちゃった。

そんなオーノのダーティ技でフラストレーションがマックスになったリドル。
最後は執拗なエルボー連打でオーノがたまらずタップアウト。
この時のオーノの「心が折れる瞬間」の表情が良かった。 f:id:karmactonics:20190128184544p:plain
いい顔なさるカシアス・オーノ。

気になるのはここからオーノがどういう行動をするんだろうというところ。
NXTの在籍期間は長いほうだし、そろそろ昇格してもいいのかな、とは思う。
昇格したらしたで、ブックが与えられず持ち腐れ状態になりそうな気もするけどね。

にしても最後のスリーパースープレックスの角度がエグかった。
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第三試合 北米王座戦

リコシェ(C) vs ジョニー・カルガノ
勝者: ジョニー・カルガノ
フィニッシュムーブ: コンクリートへのスープレックス→スリングショットDDT

お互い、よく技を受ける受ける。見てて気持ちいいくらいに。
リコシェもカルガノも、クルーザーウェイトに属するだけあって素早い。
序盤のレスリングムーブから終盤の大技までカッコいい瞬間が目白押しだった。

面白かったのはカルガノのリングサイドカバー剥がし。
アレイスターブラックを襲撃したとして、最近ヒールターンしたカルガノ。
そんなカルガノは、トマソ・チャンパとの遺恨戦を何度も繰り返していくうちに、
心の内に秘めた残虐性が少しずつ試合に現れてきていた。
その中の一幕としてあのカバー剥がしがあったんじゃないかと思う。
そんで、そこにハングマンDDTやろうとするけど、躊躇って結局やらないんだよね。
思わずツッコんでしまった。「やらないんかい!!」って。
まあ、そこはカルガノの優しさがストップさせたって感じだろうな。
その後スープレックスするんだけどね。

1つこの試合で期待していた事がある。
それはズバリ、リコシェの「ダブルムーンサルト」。
いやー、結局やってくれなかったなぁ。
前回のWAR GAMESの時に、ケージの上から披露してくれたのは激アツだった。
本当は普通のコーナーからでもできるんですよ、って所が見たかったんですよね。
いつかはやってくれると信じてます。

ところでこれは試合と関係ないんだけど、
WWEのゲームが2Kから毎年出てるんですよ。

wwe.2k.com

最新作「WWE 2K19」に、最近レスラーや技が追加されるDLCが新しく配信されたんですよ。
その中に、リコシェが入ってるんです。
そんで、そのDLCの名前が「Rising Stars Pack」なんですよ。
多分これ「これから将来的に大物になるスーパースター」的な意味で名付けられてると思うんですよ。
なんか納得行かないんですよね。
リコシェって、十分今も大物じゃないですか?

第四試合 女子王座

シェイナ・ベイズラー(C) vs ビアンカ・ブレア
勝者: シェイナ・ベイズラー
フィニッシュムーブ: キリフダクラッチ(スリーパーホールド)

ベイズラーがかなり優勢な試合だったなぁと思う。
ビアンカがこれまで無敗だったので、ベイズラーの強さがより強固になったという感じ。

ベイズラーはかなり観客のヘイトを集めやすいスタイルのヒールだと思う。
得意技が腕折りだったり、MMA界隈の仲間を引き連れていたりと、わかりやすいヒール。
正直、ビアンカは負けるだろうなと予想はしていた。
でも、全力でビアンカを応援してしまった。
そのくらい、ベイズラーに対して憎たらしい感情が湧く。
本人が強いのに加えて仲間もいるとか何なんだよ、女性版サモア・ジョーみたいな顔しやがって。
でもフィニッシャーの名前は好きよ。キリフダクラッチ。ただのスリーパーホールドなんだけどね。
そこも含めてサモア・ジョーっぽいね。今後ヒールとしてガンガン活躍していくだろうな。頑張れー。
サモア・ジョーははやくマッスルバスターを解禁してくれ)

個人的にはビアンカの技ももうちょっと見たかったな。
でも、得意の髪の毛ムチが決まったのでまぁ満足。
髪の毛ムチでベイズラーめちゃくちゃ痛がってて、「そんな痛いか?」と思ったのだけど、
ベイズラーの脇腹に切り傷できてた。そりゃ痛いわ。
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髪の毛なら体の一部だから凶器判定じゃないとかいうプロレス特有のガバガバルール好きだよ。

第五試合 NXT王座戦

トマソ・チャンパ(C) vs アレイスター・ブラック
勝者: トマソ・チャンパ
フィニッシュムーブ: フェアリー・テイル・エンディング(ダブルアーム・リフトアップフェイスバスター)

youtu.be

個人的には、チャンパの残虐性に、ブラックがどこまでついていけるか、という感じだった。
そんなもんで、どうしてもブラックが勝つイメージが浮かばなかった試合。

ブラックのドチャクソかっこいいブラック・マスが顔面に決まったあと、
チャンパがうつ伏せになって「フォールできない!」ってなった場面は面白かった。
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いや、ひっくり返せよ!
まあ、そこはもう満身創痍だからそこまでやれる体力も無いのだろう、しょうがないしょうがない。(プロレス特有のガバガバ理論その2)

にしても、ブラックの足技は美しいよね。膝にしろ蹴りにしろ。
あとギミックも個人的には大好物なので、ぜひこのままアンダーテイカー的大物ポジションを狙ってもらいたい。
…昔ブレイ・ワイアットにも同じこと考えてた気がするな。

ベイラーさんはもっとデーモンになってください!

チャンパのリングサイドカバー剥がしも良かったね。
ここでカルガノと同じことするか〜と感心してしまった。
しかもカルガノと違ってチャンパは躊躇しないからね。技を食らったのはチャンパの方だったけど。

全試合終了後

チャンパ、カルガノ、ヴェルべティーン・ドリーム、アダム・コール、リコシェ、ブラックの乱闘

今回ドリームはなぜか美女を両手に最前列で観戦枠だったんだけど、最後に喧嘩売りに来たね。
お前どういうポジションなんだ(褒め言葉)
それと、第一試合でアンディスピューテッドエラの入場の時にも顔を見せなかったアダム・コール。
彼もここで因縁つけに登場。
そんなこんなで彼ら6人による3on3タッグマッチが決定。
チャンパの壮絶なヒールターンで崩壊したDIYが、カルガノもヒールターンしたことで奇しくも再び共闘することに。
これを見たキャンディス・レラエはどう思ってるんでしょうね。(カルガノの奥さんでありカルガノ最後の良心)

まとめ

一番面白かった試合は、最初のタッグ王座戦だった。
RAW/Smackdown!においては、
「タッグ戦線はもはや金にならないから縮小させようとしてる」なんて噂が流れるくらいには、
タッグ戦線は盛り上がっていない。
だけど、それは決して選手たちだけの問題ではないし、ましてや「タッグだから」面白くないなんて事はまったくない。
それは今回のタッグ王座戦を見ればよくわかるはずだ。
タッグ戦線はRAW/Smackdown!ももっと面白くなるはずだ。

逆に一番面白くなかった試合があるかと言われたら、うーん…はっきり言えば、無い。
強いて言えばマット・リドル vs カシアス・オーノだけど、あくまで相対的に見た結論だし、
NXTTakeOverは毎回そうだけど全部の試合が面白いんだよね。
というか、毎回言われてるよね。
「こんなNXTが盛り上がった後にロイヤルランブルって大丈夫か」とか。
僕も毎回思うもん。

ロイヤルランブルはまた別に感想を書こうかなと思う。
こっちは、逆にワーストの試合がもうすでに決まってんだよね。悲しいことに。
まぁAJスタイルズ vs ダニエル・ブライアンなんだけど。